【ショック!】あなたの便から絞り取った水分は全部肝臓の中へ入ります!

便と肝臓

食べた物が「小腸」に消化後の食物として移動している間は、滋養物のようなイメージだと思いますが、小腸から大腸に入るようになると途端に「便」と名前が変わります。

当然のようですが、小腸は滋養の吸収、大腸は水分の吸収がメインのお仕事になっています。大腸は、食物残滓からの滋養の吸収を完了したものが入ってくるので、あとある仕事と言えば、粥状になったドロドロの残滓から、水分を抜き取ることしかないのですね。もし、大腸が無いとすれば、下したような排泄物がだらだら降りてくるだけになるので、通常の社会生活は簡単ではないでしょう。

またそれだけでなく、大腸の長さも非常に長く、大腸全体においても許容量もあり、更には直腸の直前にS字結腸などの工夫があり、要は「便意がしても、ある程度社会生活のために我慢できるように設計されている」のであります。

そういう意味では、霊長類である人間の人体構造は、知的生活を前提としたような作りになっているのかもしれませんね。動物園の動物をみてみますと、「便意」を我慢しているような動物は、いないことに気づきます。ゾウもキリンも馬もそうですが、したいときに、尻からぽとぽと落としてくるんですよね。便意を我慢して、時間の許す時に排便することができるのは人間だけであります。

またその仕組みも霊長類の特権のようですが、逆に便秘の習慣を身につけてしまうことになりかねない要素も孕んでいると思いますし、大腸が長いというのは、結局、そういう両面があるのでしょうね。

さて、今回のテーマもショッキングな題名になっていますが、「あなたの便から絞り取った水分は全部肝臓の中へ入ります!」というものです!少し、強調するところを強調すれば、こういったビックリするような言い回しができるわけですが、嘘ではなく真実です。

まあ、何処で「便」として成立するかという部分にだけが残されてはいますが、今回強調したいのは、「便秘は肝臓によくないですよ」という話です。

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大腸の構造をみてみますと、小腸から盲腸部(虫垂)を出発として、「大腸」が始まります。上に上がる「上行結腸」、横に移動する「横行結腸」、下に下がる「下行結腸」、そして通称「S字結腸」を通って、「直腸」、最後に「排便」!というのが、便君の旅であります。

実際の大腸は四角四面で構成されているのでなく、図のように変形していて、ここが何結腸が判断が難しい箇所の方が多いくらいです。

さて、よく見てみますと、その大腸には全部、静脈が張り巡らされていることが分かります。

門脈と連結されている各結腸静脈(図:C先生より提供)

大腸と肝臓

上の図でわかるように、肝臓の門脈につながる血管を、逆にたどると「大腸」に繋がっています。無数の血管が門脈に連結されているのです。間違いの無いように念のためですが、

肝臓から、出て来ている血管群ではありません。肝臓へ入る血管群です!

つまり、大腸は便になってゆく粥状の残滓物から水分を絞り取って、皆、肝臓へ運ばれてゆく!

ということに着目して頂きたいということであります。正確には、「便から水分を絞り取るのではなく、残滓から水分を絞り取ったら、便になる!」というのが正確なのですがね。

しかし、しかしですね、今回の題目にありますように、「便から水分絞り取る」ということが、ほぼ現実的にはあるとみて良いのです。それは、もうお分かりだと思いますが、

「便秘」に陥った時!であります。

以前にもお話したと思いますが、便秘便、停滞便は「大腸にとどまっている以上、水分をずっと絞り取られ続けますから、固くなりますし、比重も重たくなります。こういう状態は、肝臓に負担がかかっているということを知らなければならないというわけです。

かといって、単純に、「便が混じった水分が肝臓に行く?」のではありません!

大腸は、自分の管内に内容物がある以上、腸壁からまじめに、まじめに水分を吸収しようとします。ですから、粥状の滓から既に排便できる便の姿になっているにもかかわらず、そこに必要以上に留まる場合は、すでにそのように形成された、おなじみの「便」状態から水分を得てゆこうとします。これは当然ですよね。それだけでも、自然ではありませんし、健全で機能的な静脈血が肝臓に入ってゆくとは思えません。更には硬くなった便が腸管内で動けば腸に傷が入りやすくなりますし、結果的に、傷ついた腸壁からは、水分だけでなく、ふさわしくない成分の類いを含んだまま、吸い付くように(上図)張り巡らされた結腸静脈に乗って、皆、肝臓に入るのであります。

肝臓は、アルコールだけでなく、便秘によっても、打撃を受ける可能性があることを充分に知っておく必要があるでしょうね。機能的な結腸静脈は、小腸もそうですが管内の内容物が、停滞しないということが前提であります。肝臓病がなかなか良くならないという人の中に、慢性便秘者がある場合は、その一因を疑ってみるといいと思います。端的に言えば、肝細胞の細胞の入れ替わりに支障が出るということだと言っていいでしょう。肝臓といえども、血液がガソリン(食事)で、細胞活動を営んでいますからね。

ですから、疲れやすい!疲れがなかなか取れない!という人の中に、便秘で肝臓に負担がかかっている人が多いのも、頷けますね。。

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自然界も人体の生理も、結局、循環が遅くなった時に、病気が起こります。循環が停止するのが「死」です。

食べるものの「質」も重要ですが、食べたもの、入れたものが、滞り無く出る!という「流れ」「循環」が生理的であれば、多少のものは影響を受けないようになっていますね。それが身体です。

循環が(主体的要因)で、質は(対象的要因)であります。両方必要なのですが、滋養や栄養素というのは、「循環」の上に、機能するようになっていると考えてくださったらと思います。

肝臓の為に、便秘は解消しましょうね

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